青女房

 

 

 あれた古御所(ごしょ)に女官の姿をして、鉄奬(かね)をつけ、人の来るのを待っている妖怪を「青女房」という。
 まだ実らない稲田を「青田」というように昔は未熟な女房を「青女房」ともいった。
 そんなことから、ただ単に、顔色の青い女房が、ぼうぼうの髪をふり乱し、歯に鉄奬(かね)をつけて立ちふるまうことをも、「青女房」といったのである。